BONATHIAで活躍するクリエイターの方をご紹介する特集。3回目の今回は、HAREさんをご紹介します。デザインを始めたきっかけや制作、これからの目標などを伺いました。
もくじ
子どものころからの「好き」という気持ちを大切に、デザインの世界に飛び込む
―HAREさんはいつからデザインの世界に入ったのでしょうか?
もともと中学生の頃から絵を描くのが好きで、よく漫画を描いていました。高校に入ってからは美術の勉強をして、そこでデザインなどの基礎を学びました。
商業用に描き始めたのは、3年ほど前のことです。当時から今まで、広告のイラストや漫画などを描いています。ずっと絵を描くことは好きで、「仕事にできたらいいな」「手に取った人が喜んでくれれば嬉しいな」と思っていたので、こういう仕事ができたことは嬉しかったです。
―もともと広告業界にいたのですか?
いえ、医療系の大学を卒業し、そのまま医療業界に従事していました。ただ、結婚して、子供が生まれて。家も建てて、ひと段落したところで色々とキャリアについて考えてみたんです。
本職で働いていた時は、仕事が嫌でネガティブな気持ちで職場に行くことも多かったので、なんとかこの状況を変えたいと思いました。そこで「自分が好きなことは何だろう」と考えて、まずは副業としてイラストを始めました。
―人生のステージが変わるなかで、ご自身のキャリアを見つめ直したんですね。イラストを描くにあたって、どのように勉強しましたか?
独学で、本を読んだりネット調べたりしました。特に勉強になったのが、イラストレーターのさいとうなおき先生のYouTube動画です。今も、日々勉強中の身です。
―子育てをしながら勉強していくのは、きっと大変ですよね。
息子は今8カ月ですが、年を追うに連れてやんちゃになり、パワフルにもなります。まだ大きな風などを引いたことがないですが、今後はそういったこともあると思うので、イラストの時ために隙間時間を見つけることが大切です。
今でもまとまった時間は取りにくいので、毎日少しずつ取り組んでいます。夫が協力してくれているので、夜は子ども任せています。
家事や育児との両立の中で少し疲れることもありますが、SNSに作品をアップして、「いいね」「可愛い」とコメントが来ると、モチベーションが上がりますね。
―他の人に見てもらって褒められると、やる気が出ますよね。
すごく出ます。初めてInstagramにアップしたとき、「可愛いですね」と言ってもらったことをよく覚えています。手書き風にバスをデザインしたクッションカバーだったのですが、今でも一番思い出に残っている作品です。
もちろん、すべて思い通りというわけではなく、自分ではよく描けたと思っても、閲覧数が伸びないこともあります。何でだろうと悩みますが、そういう時はあえて夫に見せて、率直な意見をもらうようにしています。
コロナ禍でも家での時間が晴れやかになる、シンプルで可愛いデザインを生み出す
―BONATHIAではポーチやクッションカバーなどを制作いただいていますが、作るアイテムはどのように選定していますか?
基本的に、「家にあるもの」をテーマに制作しています。特にクッションカバーやタペストリーなどの生活用品を選んだ理由は、コロナ禍になったことが大きな理由です。何かお祝いがあっても外に出にくい中で、家の中で過ごすのにワンポイントでも晴れやかなものがあればと思いました。
行事やイベントの日は、家をちょっとしたカフェのようにして、少し特別な気持ちになってもらえたらと思っています。あとは、飽きずに毎日楽しめるようなもので人を喜ばせたいという思いもあります。
―初めて作品が売れたときは、どのように感じましたか?
最初に売れたアイテムはスウェットだったのですが、「買ってくれる人いるんだ!」と感じました。それまでは誰に向けて作っているか、これが誰に届くのか、実感がありませんでした。だから売れたときはびっくりして、何度もメール見直したんです。
その時に「自分が作ったものを見てくれている人がいる。もっと頑張って作らなくては」と感じました。
―作品を作るとき、共通するコンセプトはありますか?
いえ、基本的には直感的に制作しています。共通点をあえて挙げるなら、「シンプルだけど、可愛い」です。家にあると気持ちが華やぐような、それでいて日常に溶け込むデザインを目指しています。
あとは、誕生日や記念日などのお祝い事でも活躍するような晴れやかなデザインを中心に描いています。
―HAREさんが作品を作るときの、制作過程について教えてください。
まず、構図を考えます。次に下書きをして、全体のバランスをとりながら修正して、清書します。そこまでできたら色を塗り、完成したらできたらデータを取り込んでグッズにするという流れです。
構図の段階でいくつか案を出し、一番いいものを選んでいます。じっくり取り組むというより毎日少しずつ進めていくので、日々の生活で作りたいものが見つかったらどんどんメモに残して、何を作るか考える時に見返しています。特に動物や身近なものをモチーフにすることが多いです。
―制作時は、どんなツールを使っていますか?
iPadとMacBookです。アナログの道具も持っていますが、基本は趣味の絵を描くときにしか使いません。3年前に広告漫画を描き始めたときから、仕事ではずっとデジタルツールを愛用しています。
―毎日作り続けていると時には行き詰ることもあるのではないかと思うのですが、いかがですか?
はい、描いていると「今日はどうしてもダメだ」「全然違う、しっくりこない」という時はあります。そんな時は潔く手を止めて、子供と遊んだり、ご飯を作ったりしていますね。
「好きを仕事に」を実現し、これからも日常が華やぐアイテムを作り続ける
―HAREさんが作品を通してお客様に伝えたい思いについて教えてください。
「今を楽しんで」。これが一番伝えたいことです。特に子供の成長を見ていると、この瞬間を楽しめるのは今しかないと感じます。コロナ禍の生活も、後から振り返れば「楽しかったよね」と思えることが一つくらいあるはずです。
嫌な記憶だけを覚えておくのではなく、ポジティブ泣な気持ちも大切にしてほしい。そんな思いを込めて作っています。
―すごく温かい気持ちになりますね。では、HAREさんにとって、作品作りとはどんな意味を持っていますか?
好きを仕事にできる、自分を自由に表現できる場です。私が何か作ることで誰かを喜ばせられるので、人生を楽しむ大切な要素だと感じます。商業用に制作してはいますが、気持ちとしては趣味と同じくらい楽しんで作っています。
―その楽しさが伝わってくるデザインですよね。最後に、今後の目標について教えてください。
副業として始めたので、まずは月3万円を安定的に売り上げたいと思っています。そのためにはいろんな人に知ってもらうことも必要ですし、もっともっとクオリティを上げることも必要です。自分からどんどん発信して、作品もたくさん作っていこうと思います。
アイテムとしては、子どもがいるのでベビーグッズが作りたいと考えています。よだれ掛けはよくありますが、それだけでなく、おくるみとか靴下を作りたいです。これからもみなさんの日常生活が少しでも晴れやかになるようなものを、たくさん制作していきたいと思いす。
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