北海道の小さな町から世界に羽ばたき、表現を続ける【Takenao Wada ART】

クリエイターインタビュー

BONATHIAで活躍するクリエイターの方をご紹介する特集。6回目の今回は、Takenao Wada ARTさんをご紹介します。アーティスト活動を始めたきっかけや制作、これからの目標などを伺いました。

地元で酷評された過去をモチベーションに、世界で認められるアーティストへ

―初めに、作品を作り始めたきっかけを教えてください。

2015年に、妻と出会ったことがきっかけです。それまでアートに触れたことはなく、学生時代も美術の評価は悪い方でした。ただ、妻がもともと絵を描いていたこと、交通事故に遭って1年ほど仕事が出来ずに時間があったことから、自分も描いてみようと思いました。
描いてみてわかったのは、必ずしも何かの形を作ることがアートではないということです。学校ではデッサンなどをしますが、それ以外にもアートの世界は広がっていると知りました。また、妻から色彩感覚があると言われたこともあり、「色を使って何かを表現しよう」と考えるようになりました。

―奥様がきっかけだったのですね。では、どこか学校などには通わずに絵を描くようになったのですか?

はい、完全に独学です。画材も初めは妻のものを借りていました。ただ、描き始めてからは色々なところから刺激は受けています。バルセロナにあるピカソ美術館の方との交流は楽しく、海外の方がInstagramにアップしている画像もよく見ています。
絵画だけでなく、音楽からも影響を受けました。特に制作する時は、ジョン・レノンや忌野清志郎、甲本ヒロトの曲を聴いています。

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―独学で始められたとのことですが、作品をコンテストに応募したことはありますか?

はい、2016年に全日本アートサロン絵画大賞展に応募し、入選しました。2017年にはニューアートZERO会ZERO展で入選しています。
私は北海道の田舎で描いていますし、こんなジャンルの作品がこういった形で認めていただけるとは思っていませんでした。実施、地元の美術関係者から「これは絵ではない」と酷評され、美大を出ていないとを揶揄されたこともあります。
ただ、そういう古い田舎独特の考えで排除されたことがモチベーションに繋がったと思います。おかげで、2020年には The STARS of Contemporary ART ニューヨーク国際賞を受賞し、同年にThe Great MASTERS of Contemporary ARTでイタリアから賞ももらうことができました。今でも東京や大阪、海外などの大都市からお仕事をいただいており、地元にこだわらなくてよかったと思います。

―輝かしい受賞のご経歴ですね。とても順調そうですが、初めて作品を販売したときのことは覚えていますか?

当初は単に趣味として書いて、Facebookに写真をあげていました。するとそれを見た方から「売ってほしい」という連絡があり、年に2~3枚くらい売れるようになりました。
今も友人からのリクエストで販売することがあります。完全にお任せいただくこともあれば、「こういう色味を使ってほしい」という希望を聞いて、それにあわせて制作することもあります。

想像力を活かして考えたイメージを、創造力をもって生み出す

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―作品を作るときに心掛けていることやコンセプトはありますか?

一番のテーマは「想像力と創造力」です。頭で想像することと、手を動かして造ることは連動していると思います。今は特に出口の見えない世の中ですが、そういう時こそ何かを思ったり感じたりすることは大切です。
作品の生み出し方としては、社会問題や世の中に起こっている事件にインスパイアされ、感じたままに描くというイメージです。表層を見るのではなく、「本当はこういうことでは」と思って描いています。自分の想いを表現することもあれば、世の中で生きづらいと感じる人のために描くこともあるので、明るい色も暗い色も使います。

―作品作りの一番のポイントはどんなところですか?

写真だと伝わりにくいのですが、凹凸を作っています。また、筆ではなく手で描くところもポイントです。基本的に絵を描くときは筆をつかいますが、アートには「こうでないといけない」といったものはないと思いますし、私はそういう考えが好きではありません。だから、自由に表現をするようにしています。

―手で描いているのはすごいですね。他にどんなものを使っていますか?

基本的には、絵具とキャンパスと手があれば描けます。凹凸を表現するのに便利なのは、グルーガンです。初めから「あれを使おう」と考えることもありますが、ふらっとお店に行って「何が使えるかな」と色々なものを見ることもあります。だから、車用ブラシなど、普通は使わないものを取り入れることも多いです。

―面白い道具の選び方ですね。作品の制作過程についても教えていただけますか?

まず下地を作っておいて、何か思いついたら絵具を何種類かピックアップし、使いたい色を塗っていきます。初めから完成を目指すというより、描いてみて後から足していくことが多いです。
サイズにもよりますが、1つの作品は1週間~1ヶ月半で完成します。制作枚数は、月1~2枚くらいです。

見る人が自由に受け取れる作品を作り、誰かに影響を与えたい

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―これまでたくさんの作品を生み出してきたと思いますが、特に思い出深いものはありますか?

「今はこれ以上のものは描けない」という作品を作れることが、年に1度あるかないかくらいのペースであります。突然何かが降ってきて、今の実力では絶対に描けないはずのものが生み出せるので、そういう作品は思い出深いです。
そういう絵はInstagramに載せても他とは反応が違います。特に海外の方に「crazy 」とコメントをもらえると嬉しいですね。「amazing」より誉め言葉だと感じます。

―Instagramなどを通して、ご自身の作品を見た方に伝えたいことは何かありますか?

受け取り方は、人それぞれの自由だと思っています。タイトルは私が決めますが、それを押しつけたくはありません。

―アートの受け取り方は、個人の自由ということですね。では、今後の目標について教えてください。

自由業やアーティストは、好きなことをやらしてもらっているからこそ、社会貢献すべきだと思っています。これは時間もお金もかかることですが、表現を発表することを続けて、日本でも抽象画というジャンルが海外のように一般的になるための一助になりたいです。
個人的な目標としては、変わったものを使った作品を作っていきたいです。一見するとアートではないものを、アートにしたいと思っています。例えば立体的なものを使って壊れていく作品を作り、「人間もいつか死んで骨になる、壊れていくからこそ表現できるものがある」と伝えられるものが作れたらと思っています。
また、私も色々なアーティストから影響を受けたので、「あなたに影響を受けました」という人が現れたらと思います。そういう人が生まれたら、アーティストとして一つの成功ではないでしょうか。

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